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ご近所散歩はカメラと一緒 ⑥
道のある景色は大好きなので見つけるとカメラを向けます。取材旅に出ていても1日に1枚は必ず道の写真を撮りたいと思っているほどです。
神社や城跡などの高台は町全体が見下ろせることがあります。真っすぐな道や曲がった道など気に入った道を見つけ出すよう観察してみます。
生活の匂いが感じられるかもしれないし、季節感が感じられるかもしれないし、その街を象徴するような山や建物が見つけられるかもしれません。面白いと感じた特徴を活かして写してみます。
川の土手にはたいがい道が作られています。並木や散歩をする人からは温かみが感じられます。景観や人の動きから物語を想像しながら写してみると表現は豊かになります。
構図としては、奥行きが出るとそれは素晴らしいのですが、道全体を写す必要などなく、印象的な部分をアップにして写すことでもいいのです。ピント位置や絞り値を自分の思いで設定すると雰囲気が出てきます。
▼景観の美しさをその土地の特徴を捉えて写します。
▼ピント位置や絞り値などのカメラ設定で写真に思いを込めます。
日常生活のどこにでも道が存在します。だから、テーマとして意識することでいろいろと撮れると思います。
ですが、撮ってやろうと意識し過ぎず、これまでにお伝えしてきた、①壁、②草花、③色・形・線、これらのテーマも風景の中から同時に見ていくことをおすすめします。
空が広くて気持ちいいとか、空気がおいしいとか、自然を体全体で感じることも大切です。
力むことなくなんでも写していってください。
著者 : 風景写真家 佐藤 尚プロフィール

1963年福井県生まれ。山岳写真家・風見武秀氏に師事した後、フリーとなり、日本各地の農村風景、自然風景、などを対象に撮影を続け、新潟県魚沼、埼玉県見沼田んぼ、を集中的に取材している。近年は人の営みが感じられる『ほっと風景』をテーマにした作品作りをしている。2017年に個展「47 ぼくのより道」をフジフイルムスクエアにて開催。